先日、僕の友人は大事な人に花を贈った。
花の命は切ないものである。
花の一番美しい姿は、その花が咲いているところにある。
しかし、花が咲いている期間というのは、
花の一生比べたらものすごい短い期間だ。
だから僕は、どちらかというと、
花が咲く前のつぼみや、咲き終わって枯れ始めているところが好きだ。
それらを見ていると、いろいろなことが考えられるからだ。
しかし、キレイに咲き誇っている花を見ていると、
なんだか切なくなってくる。
いずれ枯れなくてはならない。
それもすぐにだ。
そんな事実を花たちは知っているのだろうか?
もうすぐ母の日を迎える。
日頃の感謝の意を込めて、何かをする。
多くの人は、花などを贈ったりするのではないだろうか。
確かに花は便利だ。
花をもらって、困る人はほとんどいないだろうから。
便利なのはそれだけではない。
人間の心は時には、花の命のように、
短い期間で、気持ちが変わってしまうことがある。
何かのきっかけにおいて。
贈る人の気持ちがなくなったとき、花は何もしなくても、
自らの運命に従って枯れていく。
人間の気持ちが変化していくように。
こういったことが分からないと、
花をもらった人は、その花を長い間、
美しい姿に保っていたいと思う。
しかし、花には寿命があるので、いつか枯れてしまう。
だから、長い間、花に触れていたいのだったら、
また花を贈ってもらえるように努めるのが正しい。
友人は花を送った後、とても切ない気分になったという。
おそらく、花の切なさを分かっていたのだろう。
贈った花にはそのときの気持ちを伝える効果があっても、
2度目、3度目がなければ、
気持ちは、花のように枯れていくということを。
また、贈った花は、贈る側の気持ちがなければ、
その命も短いものになるだろう。ってことを。
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